2014年 『陸軍員外学生』光人社NF文庫 定価780円+税

前著から8年たっての出版です。NF文庫として出した3冊は自分としては陸軍軍事技術史3部作と位置づけ、それでやめるつもりでいたのですが、たまたま「知の巨人」と称される立花隆氏が自著の中で拙著2冊を必読の教養書として選んでくれたことを知り、氏が教養書として取り上げてくれたことに意をつよくして、老体にむち打つつもりで同技術史の集大成としてまとめた書です。類書がほとんどない中で、名前を頼りに一人ひとりの軍歴を調べ上げ、まとめていくうちに、日本陸軍の軍事技術史的なものになったのではないか、と自負しております。まだ上梓したばかりで、読者の反応、識者の批評めいたものは得られていませんが、ぜひお寄せいただければ、と思っています。
Amazon.co.jpを
通してこの本を
購入する
2006年 『技術中将の日米戦争』光人社NF文庫 定価720円

『陸軍燃料廠』の執筆中、そこの第2代廠長だった秋山徳三郎中将の存在を知りました。軍人としては無名ではありましたが、東大工学部で土木を学んだ技術者でもあった異色の将軍でした。太平洋戦争は、一面で石油の戦いでありましたが、また一方で土木力の戦いという側面もあったといわれています。秋山将軍は土木技術者としてアメリカ軍の豊富な土木力に立ち向かったわけですが、彼の真骨頂は、陸軍の俊才テクノクラートとして、陰で軍を支えた点にあったといえます。彼に関する資料にたどり着くまでは、小さな手がかりをもとに事件を究明する探偵にも似た心境でしたが、探し出した資料のうち、東大での卒業論文『大阪市天満橋改築』は、現在、大阪府立狭山池博物館に収蔵され、満州建国時の土木関連の写真は、日本土木学会付属図書館へ納められ、同館のアーカイブとして公開の予定です。
Amazon.co.jpを
通してこの本を
購入する
2003年 『陸軍燃料廠』光人社NF文庫 定価780円
前の書は、先の大戦中に南方で、彼らなりに太平洋戦争を陰で支えた石油技術者たちの活躍を描きました。私がいた会社には、まだ現役で活躍されていた先輩たちがおり、その方々を通して得た知見が、執筆のきっかけでした。前書を出版してはじめて、陸軍にも中央の組織として「陸軍燃料廠」が存在していたことを知りました。そして、戦後のわが国の石油・石油化学の世界で、燃料廠出身の技術者の存在の大きかったことを知ったのです。後にノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士も、その中のお一人でした。欧米に遅れた石油技術開発を一身に担い、太平洋戦争を支えた石油技術者たちの戦いは空しく終わりましたが、戦後日本の成長期の礎となったことは事実です。本書に対しては、日本経済新聞(6月8日)、月刊LPガス(6月号)、週刊読書人(8月1日)、石油学会誌「ぺトロテック」(8月号)、化学工学(9月号)などの書評で取り上げられましたが、中でも、東大名誉教授吉田邦夫先生が「軽快な語り口で伝える石油技術者たちの苦難」という見出しで、エネルギー・資源(2004年3月号)をはじめ2,3の紙面で好意的な書評をいただいたことは望外の喜びでした。
Amazon.comを
通してこの本を
購入する
1998年 『石油技術者たちの太平洋戦争』光人社NF文庫 定価710円 

単行本出版から7年経過したところで、「石油人」という漠然とした表現を「石油技術者」と改訂し、写真も入れ替えて、同じ出版社のNF(ノンフィクション)文庫として再度出版されました。表紙帯には「昭和史の一角に灯をともす!」という司馬遼太郎先生のフレーズが光り輝いていました。それからさらに10年経ち、2008年に新装版(定価740円)が出版されました。製油所のフレアスタックから燃え盛る炎をあしらった表紙は、新たな石油危機の時代を暗示しているかのようで、不気味でもあります。
Amazon.co.jpを
通してこの本を
購入する
1991年 『石油人たちの太平洋戦争』光人社刊 四六版上製本 定価1,700円

最近の石油価格の高騰化で、第三次オイルショックの到来が叫ばれています。今回のショックは、解決のメドが立たないという点で、いままで以上に深刻化するかもしれません。じつは、わが国には先の大戦前にもオイルショックがありました。戦争の拡大を図ったわが国に対し、アメリカは石油の禁輸で対抗したからです。軍部は、南方の石油資源の獲得のために、落下傘部隊を降下させるという華々しい作戦を展開し、成功しました。そして石油資源の開発、石油精製のために、多くの民間人を戦場へ送り込みました。本書は南方の戦場に赴いた石油技術者たちの苛烈なる戦いの日々を描いたものです。本書が刊行されたとき、折しも湾岸戦争の最中でした。まさに、表紙の帯にかかれたように「日米戦争、湾岸戦争・・・近代戦の陰に石油あり」でした。そのこともあって、日本工業新聞(3月9日)では「過酷な青春の鎮魂記録」と大きな見出しで紹介されました。ほかにも産経新聞(4月2日)「石油戦士の知られざる事実」、朝日新聞(4月7日)「戦火の中で生産にあたった人々」と見出し付で紹介され、化学工業日報、流通サービス新聞、ジェトロセンサーなどにも書評が出ました。そのほかにも、関連する数社の社内誌で図書紹介されましたが、本書の特徴を表していたといえるかもしれません。作家司馬遼太郎先生に献本しましたが、先生から「よく書いて下さいました。これで、昭和前期の一角に、電灯がつきました」というお返事をいただいたことは、著者としては何よりも嬉しいことでした。
Amazon.co.jpを
通してこの本を
購入する
1983年 『サウジアラビアおもてうら』日本貿易振興会
(現日本貿易振興機構 ジェトロ)刊 四六版 定価1,300円


私がサウジアラビアに滞在していたときは、ちょうど同国が第三次五ヵ年計画を発表したときでした。当時、人口900万に満たなかった国なのに、その額は日本の国家予算を上回るというすさまじいもので、サウジアラビアは、ものすごい勢いで近代化を進めている、まっただ中にありました。本書は近代化が著しく進むサウジアラビアの横顔を、発展めざましい都市開発と伝統にささえられた市民生活の両面から描き出したもので、同国に関するこの種の書物としては、わが国で最初のものでした。国際商大助教授の渥美堅持氏(当時)が1983年1月31日の日本工業新聞紙上で「第三次五カ年計画を中心としたサウジアラビア近代化に関する報告を基礎として、それに関するサウジアラビア国民の動きを伝えている。二百五十ページに満たない小冊子ではあるが、その内容は豊富であり、読みやすく、一読に値する」と評して下さったように、本書は好評を博し、週刊東洋経済(2月5日号)、朝日新聞(3月20日)、日刊工業新聞(3月31日)などにも書評が載りました。
Amazon.co.jpを
通してこの本を
購入する
その他 1986年 海外職業訓練事情シリーズ?『サウジアラビア』財団法人 海外職業訓練協会(OVTA) 共著
1988年 海外事情シリーズ1『エクアドル』財団法人海外職業訓練協会(OVTA) 共著
1992年 『有料老人ホーム事業化・運営ソフト資料集』綜合ユニコム刊 共著